HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter32 『柔軟』 32-8


「・・すみません。

僕が、引きとめてしまったんです。 春日さんがここに、住んでいると聞いて。」

(突然、隣に立った夏樹に、紫苑が驚き、
夏樹の顔を見上げた。)

「・・夏樹くん?///」

(夏樹は、真剣な表情で桜に向き合っていた。)

(桜は、紫苑の隣に立つ、夏樹を見つめた。)

『・・・!』

「・・まぁ・・。」

(紫苑のすぐ隣に。
暗がりの街灯の下から、明るい玄関の光の中に立った、夏樹を見て。

桜は、茶色の瞳を大きく見開き。 言葉を失った。)

(まるで、夏樹自身から、明るい光が発せられているかの様に、
玄関がさらに明るく。 光が加わった様に、桜には感じられた。)

「お母さんですか?

ご心配をおかけしてすみませんでした。」

「初めまして。」

「こちらに、お世話になる事になりました。

雨宮夏樹です。」



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ