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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter33 『紺色の瞳』 33-3


「広いですね。」

(開かれたドアの向こうを見て、夏樹は思わず口にした。)

(ダイニングは吹き抜けになっていて、2階へと天井が高く続いている。)

(見上げると、温かな木の柱が、天井に掛かっていた。)

『聖の屋敷とは違うけど。

木の匂いがする。』

(ダイニングテーブルは、家族が6人くらいは掛けられるほどのスペースがあり。
何より、向かい側に、全面大きな窓ガラスが広々と続いていた。)

「今は、暗くて見えないけれど。

向かい側は、小さなお庭になっているの。」

「朝になると、とても明るいのよ。」

(ダイニングの隣は、対面式のカウンターキッチンになっていた。)

『これは・・、千波ちゃんが喜びそうだ。』

『屋敷のアンティークのキッチンも良いけど。 きっと気に入る。』

「お料理はする?」

(桜が夏樹に問いかけた。)

「いいえ、すみません。 まったく・・。」

「僕にはもったいないんですけれど。

きっと、姉が喜んで料理すると思います。」



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