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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter33 『紺色の瞳』 33-7


トットッ

「あ、それから、1階と同じく奥が、おトイレとお風呂ね。」

「そうそう。」

「こっちへ来て。」

(桜は左手側に向かい、近くにあった扉を開けた。)

ガチャッ

「ここが2階の玄関になっているの。

ここから、外階段で下にも降りられるわよ。」

「へぇ。」

(2階の玄関ドアを開け、二人が階下に視線を向けた時。
1階の窓から、紫苑の声がした。)

「ママ〜。

蒲公英が帰って来たわよ。」

「!

まぁっ! ほんとうっ?」

(紫苑の声に、桜は2階から階下へ身を乗り出した。)

(正面玄関から遠いその位置からは、蒲公英の姿は見えなかった。)

「ごめんなさい、夏樹君。 下の子が戻った様だから、様子を見てくるわ。」



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