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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter33 『紺色の瞳』 33-9


「今日から、ここに住むとか。

嘘みたいだ。」

(夏樹は、間違いなく。 ごく普通の。
少し一人では広すぎるくらいの。 一般のアパートの中に居た。)

(一般の住宅街の中に居ることが、夏樹には信じられなかった。)

『黒服の執事たちも居ないし・・。』

『メンバーの皆も居ない。』

『部屋の角を曲がるたびに、自分に向けられる視線にびくびくする必要もないし。』

『寝る前に、数馬にゲームをせがまれる事もないな。』

「ちょっと寂しいかもしれない。」

(夏樹は、2階の廊下の真ん中に立ち。 突然得た自由に。
何だか戸惑ってしまう程だった。)

「さて。

こっちの部屋にしよう。」

(夏樹は、遠くに海が見えると桜が言っていた部屋を、
自室に選んだ。)

ガチャッ

(部屋には明かりが灯っていなく。 夏樹はスイッチを入れた。)

パチッ



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