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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter34 『そのままで良い』 34-10


「私も、菖蒲さんは、そのままで良いと思いますぞ。」

「お爺様・・。」

(橘の笑顔に。 菖蒲は、四角い黒縁眼鏡の奥で、微笑んだ。)

「そして、それは。」

「少なくとも。

私や、時雨さんには出来ない事でございましょう。」

「しっかりなさい。

聖様が、菖蒲さんを褒めておいででしたよ。」

『えっ!///』

(菖蒲は驚いた。)

「聖様は、最も大切な、夏樹様を。

あなたにお任せしたのです。」

「自信を持って、お勤めなさいませ。」

『・・っ!///』

「・・はい。」

「頑張ります。」

(菖蒲は、微笑み。 白手袋の手で、丁寧に。 小さな、金色の小箱を
胸ポケットに仕舞った。)

「それでは、失礼します。」



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