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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter34 『そのままで良い』 34-4
「聖様のお部屋に入るのは、少々緊張しますね・・。」
(菖蒲はつぶやきながら、ふと。 巨大な吹き抜けロビーの天井を見上げた。)
(はるか彼方に高く続く、巨大な天井が。 菖蒲の頭上にあった。)
(四角くビルの中心にくり抜かれた、吹き抜けのガラス窓が続く先に。
大きな、デザイン性に優れたシャンデリアが幾つも連なっていた。)
(本部の高層ビルの最上階は、許可が無ければ滅多に立ち入ることは出来ない。)
(果てしない程に、夜空を映し出す。
巨大なガラス窓に、菖蒲は瞬きした。)
『普段は、橘さんだけしか、入れない部屋ですから・・。』
『私が締め出される心配は、大いにありますね。』
(菖蒲は、ふと。 セキュリティーの事を心配しながら、
夏樹から聞いた聖の話を思い出した。)
『どこかの空間から、帰って来なかった方が・・。
何人も居るとか・・。;』
「夏樹様を怪我させてしまった罰に、
セキュリティーに飛ばされるかもしれませんね・・。」
「私の反応が画面から消えたら。 夏樹様が気づいて下さるでしょうか?」
(菖蒲は、不安げな表情を浮かべ。 襟元の小さな赤いピンバッジに
白手袋の手で触れた。)
トットッ
(菖蒲はエレベーターに向かった。)
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