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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter35 『遮るもの』 35-3


(蒲公英は、数馬の手にした携帯を小さな指で、指さした。)

「こっ・・これはっ! べつにっ、さみしいから夏っちゃんに

電話しようとか・・、そんなんじゃないぜっ!」

「?」

(数馬は何やらあわてたが。 蒲公英は不思議そうな顔をした。)

「数馬くんっ。」

「・・っ、何だよっ!」

「これっ。 ありがとう!」

(蒲公英は、胸元につけた、小さなピンバッジを指さした。)

(そこには、赤い片羽根と共に。 Friendの文字が刻まれている。)

「たんぽぽと数馬くんは〜。 おともだち。 だよね?」

(紺色のプリーツの入った、ワンピースのスカートが。 夜風に揺れた。)

(襟元には、小さな赤いリボン。 肩ほどの長さの、薄いベージュ色の髪が、
蒲公英の笑顔に揺れる。
右横の髪にとめた、青い小鳥型の髪飾りがとても可愛らしい。)

「ん。」

「そ〜・・、してやってもいいぞって、こと!」

(数馬は、ふてくされながら、頬を赤らめた。)

「けどっ! いいかっ、ちび。」



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