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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter35 『遮るもの』 35-6
ピッ
(夏樹は、資料を片手に。 ソファーに移動し、通信機を手に取った。)
(月明かりと、部屋の光が。
夏樹の白い肌を照らし。 深い紺色の瞳が瞬きした。)
「もしもし。
どうした? 数馬。」
(夏樹の声を聞き、数馬が怒った。)
[「夏っちゃん!
ずるいよ〜っ。
後で、ゲームしてくれるって言ったのにっ!
今日、お屋敷にもどらないんだろ〜っ?
ずる〜い〜っ!」]
(通信機の向こうで、カチャカチャとバッジの音が聞こえ。
数馬が、飛び跳ねているのが分かる。)
「うっ・・。」
「ああ〜・・、今度会った時するから。」
(夏樹は苦笑した。)
『ははっ・・。 どこに居てもせがまれるな。』
『僕が屋敷を出たって、数馬にはまだきっと
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