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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter36 『はじまりの夜・ひとひら』 36-10


パカッ

(小箱の中身を見て、紫苑は微笑んだ。)

「わぁ、かわいい。 ちっちゃな羽根?」

「大事にするね。」

(大きな茶色の瞳が、幸せそうに輝いた。 紫苑の笑顔に。 夏樹は不思議な、
温かな気持ちに包まれた。)

「・・ああ・・。」

(明るいベージュ色の髪が、夜風に流れ。
星空の下。
自分を見つめる、茶色の瞳を、夏樹は見た。)

「・・・っ。」

(紫苑は、楽しそうに笑いながら、今日の出来事を思い出した。)

「あの、おっきくて、黒い動物・・!

怖かったよね? 夏樹くん。」

「・・うん。」

(夏樹は、紫苑の側で、相づちをうった。)

「でも、もっとびっくりしたのは、

聖さん・・?」

「すっごく、キラキラして。 綺麗な人だった〜。」



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