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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter36 『はじまりの夜・ひとひら』 36-11


「金色の目で・・。///」

(そう言って、傍で笑う紫苑の笑顔に。
夏樹の胸に、温かさが、鼓動の様に湧き起こった。)

トクン・・

トクン・・

(冷たい体温を。 打ち消す様に。)

(静かに。 けれど強く湧き起こるそれは。 夏樹の中に、流れ始めた。)

(それが何なのか、夏樹にはまだ分からなかった。)

「ははっ。」

(夏樹は、笑った。)

「それから、“時の欠片”!」

「きれいな宝石みたいだったね・・。」

「きっと、大切なものなの。」

(思いを馳せる紫苑の。 明るいベージュ色の髪を、
海岸から吹く風が。 そっと靡かせる。)

(紫苑は、金の小箱を見つめた。)

「あれ?」

(紫苑の様子を見つめていた夏樹は、ふと、紫苑の髪に。
一枚の。 ピンク色の花びらが、舞うのを見た。)

『・・桜・・?』



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