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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter36 『はじまりの夜・ひとひら』 36-7


(左側のソファー横に空いたスペースを見て、
本部で、メモ代わりに使っていたホワイトボードを思い出した。)

「ほんとに、まさか。」

「こんな形で叶うなんて思わなかった・・。」

(何より違う、その場の空気や。
窓から見える街の景色に、心動かされた。)

ガチャッ

キイッ

(夜の街並みに惹かれ。 金の小箱をジーンズのポケットに仕舞い、窓の外。
ベランダへ出た。)

サァァーッ

「んんっ。」

(夏樹は、風を吸い込み。
身体を伸ばした。)

「あっちに海があるんだよな。」

(両腕を手すりに伸ばし。
身を乗り出し、遠く。

夜景へ。 住宅街や繁華街。 ビル群の向こうに。
黒く見える海岸線へ、視線を向けた。)

ザァァーッ

(微かな潮の香りが夏樹に届いた。)



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