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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter36 『はじまりの夜・ひとひら』 36-8


ガチャッ

キイッ

(すっかり気を抜いていた夏樹は。 自分のすぐ右側、隣のベランダの窓が開く音に、
驚き、振り向いた。)

「!」

トットッ

(かわいらしいサンダルを履き。 ベランダに現れたのは、紫苑だった。)

「あっ! 夏樹くん。」

(紫苑は、可愛らしい部屋着に着替えていた。)

(ハチミツ色の優しい素材の部屋着に、小さなリンゴの模様が可愛く。
風呂上がりのピンクに色づく頬に、明るいベージュ色の髪が。
軽やかにふわりと。 夜風になびいた。)

『・・っ!』

(見て良いのか分からず、夏樹の視線は泳いだが。
紫苑は、気にせず。 ベランダに出していた、小さなアロマキャンドルに火を灯した。)

「ときどき。

こうやって夜空を見るの。」

(紫苑は、夏樹に向かって微笑んだ。)

「いろんな事があって、

ドキドキした時とか・・。 とっても、落ちつくでしょう?」



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