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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter38 『現実の世界へ』 38-10


「おはようございます。 千波様。」

(橘は、深々と、千波にお辞儀した。)

(夏樹と良く似た、短い髪と顔立ち。 ただその肌は、健康的に赤味をさし、
髪と目の色は、まったく違って明るい茶色だった。)

(かわいいエプロンを着け、目の前に現れた千波は、朝の光を浴びて、
太陽のような元気にあふれていた。)

「おはよう。 千波ちゃん。」

(聖は、金色の瞳を揺らして微笑んだ。)

「すぐ食べる?

それとも着替えてから?」

「ほっほっ。」

(その様子を見ていた橘は、微笑んだ。)

(千波は、朝露に濡れる聖の、銀の長い前髪や、
真っ白な派手なスーツの裾を見つめた。)

「くすくすっ。」

『まるで、移り気をチェックされているみたいだ。』

(聖は、銀の指輪の光る手で、千波のかわいらしい茶色の頭を。
突然、わしゃわしゃと撫でた。)

『・・!・・』

「きゃっv」



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