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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter38 『現実の世界へ』 38-7


「僕には、難しいけどね。」

(橘は、微笑んだ。)

「それぞれで、ございましょう。」

(橘は、聖が。 予定を守る事、と言うよりは。 別の意味で、
晃の真似が出来ないと言った様な気がした。)

「はぁ、さて。

良い匂いだな。 温かい内に、千波ちゃんの手料理を頂こうか。」

「はい。

それがよろしゅうございますなぁ。」

(橘は、温かな灰色の瞳で微笑んだ。)

「本日より、夏樹様は学校でございますな?」

(橘は、自分の前を歩く、背の高い。 揺れる銀の髪を見つめながら、声をかけた。)

「そうだね。」

「橘。

夏っちゃんには、一つサプライズを用意してあるんだ。」

(聖はそう言いながら、まるで何か悪戯を思いついたかの様に、
楽しげに笑いながら、橘に振り返った。)

「・・サプライズ? で、ございますか。」

「きっと、驚くと思うよ。」



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