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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter38 『現実の世界へ』 38-8


「晃君が、見つけてね。

ああ、正確には。 時雨君が、全校生徒名簿を資料にしようと。 記憶していて、

偶然、見つけたらしい。

彼の記憶力。 僕も欲しいくらいだね。」

「ともかく、夏っちゃんを驚かせようと思ってね。

そこへ、静乃君も配置したってわけさ。」

「昨日の彼女も、側に居るなら一石二鳥だ。」

「橘。

時雨君はけっこう不器用な人だよね?」

(聖は楽しげに、金色の瞳を揺らした。)

「夏っちゃんとは、あまり反りが合わない様だが、晃君の気持ちを察してか、

夏っちゃんをサポートしてくれるだろう。」

「君のお孫さん達は、とても心強いね。」

(聖の笑顔に、橘はお辞儀した。)

「ありがとうございます。」

キイッ

(屋敷の裏手から、扉を開けて。 屋敷の中へ、一歩入った。)

カチャッ



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