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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter39 『やってみる』 39-16
(夏樹は、机の側により。 机の上に置いていた、小さなピンバッジを白い手の指先で、
拾い上げた。)
(ピンバッジには、Fの文字を象った鍵のような紋章。 鍵の両脇には、赤い翼。
紋章の下には、金色の文字でFOT No.3と刻まれている。)
(夏樹は、ピンバッジを手にし、聖と出会った日の。
聖の言葉を思い出していた。)
『僕と来ないか?』
(夏樹の記憶の中で、聖の金色の瞳が。 煌めいていた。)
『僕と行けば、他の人とは違う。 きっと自由にどこかへ出かけたり。
誰かと仲良くなったり。 普通の暮らしは出来ないが。』
『君の力を必要としている人のところへ行ける。』
(夏樹は、思いを馳せながら。
深い紺色の瞳を揺らした。)
「・・必要としてくれる人が居る限り。」
「僕は、やってみるよ。」
『約束する。 けして一人にしない。』
「子供のころの約束に。
いつまでも、しがみ付こうとしているわけじゃないけれど。」
「たしかに僕は、一人じゃない。」
(夏樹の深い紺色の瞳の視線の先に。 窓際の机に置かれた。 パソコン画面があった。)
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