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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter39 『やってみる』 39-3


「・・夏樹くん?

起きてる?」

(起こしに来たはずなのに、なぜか紫苑は小声になりながら。
静かにそっと。 玄関扉を開けた。)

トッ

(屈み気味に、そっと、玄関から。 二階の廊下を見つめてみる。
紫苑の、長い明るいベージュ色の髪が、肩にさらさらと流れた。)

(廊下に上がった紫苑は、すぐ左手にある、部屋の扉の前に来た。)

「昨日、こっちのお部屋にいたから。

ここかも?」

(ドアを見つめる紫苑の、胸元には。 小さな赤い片羽根のピンバッジが
留められていた。)

(流れる茶色の髪の下で、朝日を反射して、小さなピンバッジのFriendの文字が
光った。)

(紫苑は、そっとノックした。)

コンコンッ

「夏樹くん?

おはよう〜。」

カチャンッ・・

「あっ。 開いてる・・。」



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