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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter40 『いただきます。』 40-1


「んんっ。 ごほんっ・・。

何て言えばいいだろう?

とりあえず、余計な事は言わずに。 挨拶だけを。」

「今日はもう、断れないから。

ごちそうになるしか・・ないよな。」

(夏樹は、待ちうけているであろう桜の。 行き過ぎる親切と、多大な歓迎に備えて。
息を整えた。)

トントンッ

(二階の外階段から、下り。 眼下を見下ろすと。 風見市の街が一望出来た。
視線の先には、明るい青空の下に、住宅街が立ち並び。 遠く、中央に商店街のある
繁華街。 オフィス街。 住宅街の奥には、新緑の森が青々と茂っているのが見える。)

(一番奥には、遠く。 青い海岸線がうっすらと朝日に光っているのが見えた。)

「ああ・・。」

「やっぱり、違うよ。 ここに住んでるって感じがして。

良いな。」

サァァーッ

(少し潮の香りのする、風見市の風が、夏樹の頬を打ち。
深い紺色の髪を強く靡かせた。)

「わかってる。

今度は、もう少し。 上手くやるよ。」



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