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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter41 『追跡者』 41-2


「桜さん・・。」

「僕は・・。

くすくすっ。 僕は、職業柄、得意な方かも知れません。」

「まぁ。」

(桜は笑顔の誠司を見て、瞬きした。)

「けれど。」

(誠司は、遠くなる夏樹の背中を見つめた。)

「瑠衣君と同じ、あの深い紺色の瞳の彼が・・。

千歳さんの事を覚えていないのは・・、辛いですね。」

『誠司さん・・。』

(桜はそっと、誠司の腕に触れた。)

「見守って行きましょう。

私たち二人で。 瑠衣君と、千歳の代わりに・・。」

「きっと、2人が・・、

幸せに、導いてくれるわ・・。」

(桜は、心の奥の思い出を呼び覚まし。 遠く歩道の上に広がる。 青い空を見上げた。)

***

「夏樹くん。 静乃先生って、優しいよね?」



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