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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter41 『追跡者』 41-3


「静乃っち、せんせ〜?」

(握った手の先で、蒲公英が笑顔になった。)

「うん。」

「課題を忘れても、怒らなかったしね。

それに、席替えの時、仲良し同士で座らせてくれたし・・。」

「ねぇ、夏樹くん。

静乃先生も、何か。 夏樹くんと一緒にお仕事してるなんて、

大変だよね?」

「学校もあるのに、いつ・・?」

「あれ?」

「・・夏樹くん?」

(桜ヶ丘から下り。 角を曲がった所で、
すぐ後ろに来ていると思っていた夏樹の、返事がなかった。
紫苑は、夏樹が後方で。 立ち止まったまま、通信機を手にしていることに
気が付いた。)

「どうしたの?」

(紫苑が振り向くと。 夏樹は、誰かと話していた通信機を切った。)

(少し距離の空いた紫苑へ、答えた。)

「ごめん。 紫苑さん、先に行っていてくれ。」

(紫苑は驚いた。)



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