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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter41 『追跡者』 41-5


(朝日に煌めく、黒の燕尾服。 黒い四角い縁の眼鏡に、サラサラと流れる細い黒髪。
後ろに縛った髪が、艶やかに見える。)

「ああ、やっぱり菖蒲さ〜ん。」

(紫苑は、少し距離のある夏樹の前に立つ。 菖蒲に、手を振った。)

「おはようございます。

お嬢様方、今日も、良い朝ですね。」

(菖蒲は、少し遠い紫苑と蒲公英に、声が届く様に、あいさつした。)

(しかし、菖蒲はすぐに夏樹に振り向き。
何か、小声で話しながら。
後部座席のドアを、夏樹の為に開けた。)

「あれ?」

(紫苑が見つめていると、二人はうなずき。
夏樹は、リムジンに乗ってしまった。)

バタンッ

(菖蒲がドアを閉め。)

(紫苑に、にこりとお辞儀した。)

「え?」

「ああっ、菖蒲さんっ。 夏樹くん、学校が・・。」

ブブンッ

コオッ・・



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