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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter41 『追跡者』 41-7


「・・察していると思うけど、

あの親切すぎる親子の中に居ると。 FOTの感覚を忘れそうで

怖いんだ・・。」

(夏樹は、後部座席のふかふかした白いクッションに、深く身体を沈みこませ。
運転席の前のモニターに、空間の位置情報や、結界の状況、闇化しやすい欠片の分布など。
見慣れたデータが映る様子を見て、なんだか懐かしい気持ちがした。)

「くすくすっ。

だからと言って、転校初日から遅刻するのは

良くないのでは、ありませんか?」

「静乃さんが・・、データを送ったと朝言っていましたから。

もしかしたら、夏樹様が行くと。 言い出すのではないかと心配していました。」

「急でしたので、私も本部に、

活動の手続きを取っていませんし・・。」

(何気なく聞いていた夏樹がピンときて、後部座席から運転席へ振り向いた。)

「静乃さんのところから、そのまま来たのか?」

(問いかけに、急に菖蒲が顔を赤らめた。)

「・・っ、すみません!

着替えている間が無かったので、昨日のままで来てしまい・・。///」



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