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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter42 『向こうとこちら』 42-11


(しかし、取り囲む。 黒服の執事達が移動し。
中央に居る人物の姿が、明らかになった時。)

(榊の助言がなくとも、誰もが口を閉ざした。)

「あ・・あれが。

聖殿か・・?」

「・・なんと。」

トッ

(真っ白な派手なスーツが、目に飛び込んでくる。
黒い石の床と、聖と同時に現れた。
黒服の複数の執事達の中で、取り囲まれる辺りの黒い色彩の中。 一点の格別に強い
白い色彩は。
一際、眩い程の白さを強烈な光で、辺りに放っていた。)

(黒い色彩の中、唯一つの白色は。 それだけで、
聖が、その場で唯一人。 浮き立っているのを感じさせた。)

「お揃いだね。」

(聖は、金色の瞳を揺らし、微笑んだ。)

「少し、早かったと思ったけど。」

(そう言いながら、自分の後ろに控えている。
英国紳士風の老執事に話し掛けた。)

(老執事の小さな、丸眼鏡の奥の灰色の瞳は。 穏やかに見えた。)

「左様でございますなぁ。 彩殿はこれからでございましょう。

しかし、おそらく。



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