HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter42 『向こうとこちら』 42-13


「くっくっ・・。」

『余程・・、

能力者が嫌いとみえる。』

(聖の、流れる金色の瞳の視線が、遠く。
シールドを隔てた。 大会議室前に居る、大臣たちに注がれた。)

(視線の先で、能力者たちが身を引き。 大臣たちが、後ずさった。)

『本会議室の中にも、張っているな。

あの石男・・。

黒服の執事たちだけでは、足りないらしい。』

『・・こんなもので、

能力者を防げると、思っているのか?』

「道理で、いざとなったらお手上げな訳だ。

だから初めから、手を出さなければ。 良かったんだよ。」

(聖は、微笑みながら。
黒い扉に手を掛けた。)

ガチャッ

(扉の向こうへ消える、聖の真っ白なスーツの裾が揺れ。
散りばめられた金の装飾が、黒い石の床の上に、反射して煌めいた。)

バタンッ



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ