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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter42 『向こうとこちら』 42-3


「とても闇には立ち向かえませんよ。」

「人間相手ならまだしも・・、

闇は、それだけで、マイナスのエネルギーを発しているんです。

近づけば、こちらのエネルギーを取られますからな。」

「私などは、闇と戦うのはご免こうむりたいところで。」

(榊の愛想笑いを、隣で見ていた小太りの大臣が。
苛立って言葉を挟んだ。)

「・・人間相手ならか?

お前は、そうやって。 取り入る機会をねらっているんだろうよ・・。」

(榊は、自分を雇っている小太りの大臣に微笑んだ。)

「延いては大臣のためですよ。」

(大臣は、ニヤリと笑った。)

「ふんっ、期待せずに、待つとしようか。」

「いずれにせよ。 能力者などが関わるから・・。 厄介な事になるのだ。

榊などはまだ、我々の感覚に近かろう? それに比べてやつらは、まったく常識外れだ。

聖を見ただけで、分かるというもの。 おまけにメンバーは子供だ。

物の価値も分からず、話にならん連中だ。 首相も、やつらを通さず、欠片を直接。

我々に預けてくれさえすれば、もっと早く事が進むだろうにな。」



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