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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter42 『向こうとこちら』 42-4


「特別な能力者でなければ、欠片を回収出来ないから、

仕方なくFOTを参加させているんだろうが。」

「いいえ。」

(榊は、もったいぶった表情で、大臣たちを眺めた。)

「これは・・、全体会議では普段話される事ではないので・・。

皆さんは御存じではないだろうと思われるのですが・・。」

「我々、能力者の中では、有名な噂・・。」

「この間FOTの本部で見た、色白の少年のことです。」

(小柄な大臣が、ハンカチを片手に、榊の言葉に思い出した。)

「ああ・・。

あの、近づくと。 何やら不思議な気配のした。 少年ですな?」

「しかし・・、至って他には・・。」

(榊は、大臣の言葉を遮った。)

「その気配ですよ・・。」

「あの少年の持つ力が・・、闇を呼び寄せると言う噂です。」

「マイナスのものは、プラスのエネルギーに引かれるもの。」

「聖殿が有利なのは、

あの少年を手に入れているからだと思いますぞ。」



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