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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter42 『向こうとこちら』 42-6


狐の様に細い目で、ニヤリと笑った。)

(短い、赤い髪が印象的で。 スーツを着て居たものの、着崩した様子は、
今時の若者らしく。 大臣たちは、
官邸に相応しくない、その人物の服装や、立ち居振る舞いに。 眉をひそめた。)

「狐次郎さん・・。」

(榊は、一ランク上の能力者である狐次郎に、警戒した。)

「・・そんなことを言って・・。

いくら、重役に雇われているからといって。 あなたが本会議に出られるわけじゃ、

ないでしょうに。」

「能力者は、会議場には入れないのですから。 ああ、公認の聖殿を除いては・・。」

「まぁ、その聖殿も。 滅多に、会議に顔を出しませんからな。」

(赤髪の男は、笑った。)

「ひっひっ。 おたくらも、本会議場には、入れないだろ?

モニター越しじゃあ、大した情報は入ってこねーってさ。」

(小太りの大臣は、この言葉を聞き、狐次郎に怒りの視線を向けた。)

「無礼なやつめが・・。」

「ひっひっ。」

(狐次郎の笑顔に。 榊も、苛立ち、言い返そうとした。)

「ただ、私の元にも、本会議での噂なら届いて・・。」



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