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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter42 『向こうとこちら』 42-9


「じゃなきゃ、誰が。

あんな危ない兄ちゃんを、主要メンバーに指名すんのさ?」

「俺はこえーよ。」

「まぁよ。 首相くんも、似た様なもんだろうけどよ。」

「気を付けた方がいいぜー。

悪口言ってるのが聞こえたら、

ひどい目に合うって、う・わ・さ。 だぜ。」

「ひっひっ。」

(狐次郎は、奇妙な笑い声を残し。 大臣たちの側から離れた。)

「・・何だねあいつは?」

「やはり能力者はろくなやつがいないな。」

(大臣たちの視線の先で、急に。 興味の矛先を変えた狐次郎が。
不思議な歩幅で。 軽く、流れる様に、次の来訪者に向けて。 廊下を移動した。)

「来たなー、聖の兄ちゃん。」

(狐次郎は、ワクワクする様に、まるで狐の様な瞳を、細め。
本会議室のある黒い扉の前に続く。 廊下を見つめていた。)

ゴオッ・・

(何も無い、廊下の中央に。 突然、淡い黄色の光の揺らめきと共に、
幾人もの、大勢の。 人影が姿を現した。)

トッ



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