HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter43 『白い色彩』 43-10


責任を擦りつけるのは、昔から一緒だな。』

コンコンコンッ

ガチャッ

(赤い、ハイヒールの美しい脚が。 本会議室に降り立った。)

「おお。」

(重役たちは、思わず見惚れた。)

(真っ白な白衣が靡き、ポニーテールの鮮やかなピンク色にカールした髪を横に高く束ね、
耳元に銀のピアスが煌めく。)

(少しはだけた胸元から、銀の十字架のアクセサリーがちらりと覗いていた。)

コッコッ

「遅れてごめんなさい。 石垣首相さん。 皆さん。 聖君。

大事な資料とサンプルをまとめていたものだから。」

(黒扉の向こうから現れたその人物は、あまりに鮮やかな変化を、黒一色の。
会場にもたらした。)

「彩殿。」

「これは、これは! 彩殿。」

「お越し下さり、何より。」

(重役たちは、急に態度を変えた。)

(首相は何も言わず、会釈した。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ