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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter43 『白い色彩』 43-4


(聖の第一声に、重役たちは眉を寄せた。)

「ああ、そうか。 シールドを保つ為だろうね?」

(聖は続けた。)

「でなければ、前首相と同様の悪い趣味が似たんだな?

人を閉じ込めておく事が好きなのか。 それとも・・、あなた自身が、

閉鎖空間が好きなんだろうね。」

(黒テーブルを挟み、首相と向かい合う聖の言動に。 重役たちは凍りついた。)

「随分と、大げさになってきたものだ。 あの、今朝の出迎えは何だい?」

「くっくっ。 僕だけ、特別待遇を受けていると。

喜んで良いものかね? 石垣・・。」

「過度な歓迎は、必要無い。 期待してもらっているのは、嬉しいけどね。」

(聖は、白いスーツの腕を組んで笑った。 眩い銀髪が流れ、
右腕の金の装飾が煌めいた。)

「なぜ、呼び出されたか。 分かるかね?」

(冷やかな声が、室内に響いた。)

(灰色の少しカールした髪に、頬骨が目立つ、筋張った顔。
眼鏡の奥の、光の無い瞳が、
長テーブルの正面、一番奥から。 扉前に座る、聖を睨みつけた。)

「・・・。」



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