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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-11


「過去の出来事もあるわ。 何が起こるかは、分からない。」

「今のままなら、夏樹君は自然に

FOTの力になってくれる。」

「つまり、欠片を集める、手助けになるわ。」

「無理強いは良くないの。 能力者の力は繊細よ。

大きな結果をもたらす事でも、間違った方法で、慌てて早急に動けば。

台無しになることもある。」

「時間をかけるべきよ。」

「答えを知りたいのならば。」

(首相は、頬骨の目立つ顔の前で。 組んだ両手の向こうから。 冷静な視線を
聖に向けた。 今は、これ以上追及すべきでない様に思われた。)

「欠片の謎か・・。」

(そう呟いた首相の視線の先で。 聖の金色の瞳は、静かに、
暗い室内の中でも、煌めいたままの。)

(机の上に置かれた。 小さな一欠片に向けられていた。)

(時の欠片からは、闇の痕も静まり。 元のキラキラした輝きが戻っていた。)

「彩、欠片を医学的に利用する方法は、解明出来たのか?」

(首相は、興味を欠片に移した。)

「まずは、有効な利用方法を早く編み出す事だな。」



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