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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-12


「いくら集めたからといって。

活用出来なければ、無意味だ。

いくつか挙げられる欠片の可能性の中でも、

最も重要な。 欠片に秘められた、可能性の事だ。」

「今では、あくまでも。

可能性に過ぎぬが。 それが実現できれば。

欠片の価値は莫大な物となるだろう。」

(その言葉に。 聖は、視線を欠片から離し。 黒テーブルの向かいに座る。 骨ばった、
首相の顔に移した。)

「欠片に眠る可能性については。 ここに居る誰もが望んでいる事だ。 違うか?」

「そちらはまだ。 証明出来ていないのだろうが?」

「彩。

私が一番聞きたいのは、その報告だ。」

「謎解きに、時間をかけるのも良かろう。

だが。」

「時は、待ってはくれない。」

(聖の表情は、首相には読み取れず。 ただ静かに席に着いている様に見えた。)

(だが、自分を見つめる金色の瞳に、目が合った時。
首相は、現段階で。 これ以上、夏樹の事は問うまいと決めた。)



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