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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-14


我々にとって、それなりの意味があるというものだ。」

「このまま、特別措置を、契約通り許可しよう。」

「ただし。」

「彩。 欠片に秘められた、可能性の解明に力を尽くせ。」

「その為に、お前に研究所を預けたのだからな。」

「それが、我々の望みだ。」

(首相をはじめ、黒テーブルに座る。 重役達が皆、賛同を込めて頷いた。)

「ええ。」

(彩は微笑んだ。)

(けれど、彩の思うそれと、首相たちの思いは、別の物の様に。 聖には感じられた。)

「あなたも、

それを望んでくれるわね? 聖。」

(彩の笑顔に。 聖は、軽く微笑んだ。)

「もちろんだよ。 彩君。

君の言う、医学への利用の道が。 ここに居る人たちだけでなく。 全ての人に。

もたらされる望みならば。」

「・・・!」

(重役たちは、僅かに表情を変えた。)



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