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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-17


(重役たちは、身を引いた。)

(シールドの中でありながら。 聖の、白いスーツの全身からは、まるで、
周りを威圧するかの様な。
重い、エネルギーが、振動の様に黒い室内に流れ出していた。)

トットッ

(足元から流れ出る力は、辺りを包み込み。)

(黒い柱や、黒い石が敷き詰められた床は、冷たく振動し。
室内に居る者を、凍りつかせた。)

『・・わざと、抑えていたと言いたいのか?』

(首相は、骨ばった顔を引きつらせた。)

(聖が、黒い扉に手を掛け、出ようとした時。
背中から、呼び止める。 冷やかな声が室内に響いた。)

「お前は、償いを終えていない。」

(冷徹な目が、聖を見据えた。)

「その事を忘れるな。」

(聖の金色の瞳が、黒い室内へ振り返った。)

「石垣・・。」

「僕からも一つ言っておこう。」

「彩君、もう少し強めるべきだ。」

「え?」



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