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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter44 『相容れぬもの』 44-19
バタンッ
(聖は、本会議室を後にした。)
(本会議室前、黒扉の向こうに。 橘が待っていた。)
トッ
(英国紳士風の老執事は、聖を見ると。
丸眼鏡の奥の灰色の瞳で、穏やかに微笑んだ。)
「お帰りなさいませ。
聖様。」
「会議は、如何でございましたかな?」
「・・退屈だよ。」
「ほっほっ。
左様でございますか。」
「では、彩殿は如何でございましょうか?」
「ん?
そうだな。 今日も綺麗だったよ。」
「ほっほっ。 その様な事ではございませぬ。」
「くっくっ。 分かっている。
ここで、僕に聞くなよ。」
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