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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-5


「くすくすっ、平気よ。 取り出した欠片は、闇の姿には成れない。

今のは、闇の痕跡が蘇っただけ。」

(彩の言葉に、重役たちは、少しだけほっとした。)

「恐ろしい現象だ。

私には、そのサンプルの中身が、引き起こしたように見えたがね?」

(席に戻った重役たちは、口々に語りだした。)

「・・夏樹の力が、闇化を促すか、

あの子供が、闇を生み出した可能性すらあるのだ。 当然のことだな。」

(彩は、微笑んだ。)

「そういう事よ。」

「夏樹君が、闇を見極める・・というよりも。」

「つまり。 夏樹君の風が触れると・・。

闇化しやすくなるの。」

(彩の言葉に、重役たちは、顔を見合わせた。)

「夏樹君の持つ何かの力が、闇に影響を与えている。」

(そこに居る誰もが、ありえないことではないと、思っていた。)

「この可能性は、以前から考えられていた。

だから、聖君の依頼で、風を分析することに着目したの。」



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