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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-7


夏樹君の力と深く関係している。」

(彩は、ちらりと聖の方を見た。
聖は、静かに、何かを考えている様だった。)

「だもの、当然よね。

聖君の結界が、ターゲットとなった街へ繋がり始めてから。

その街での、闇化が。 より起こりやすくなっているのは、

おそらく結合した空間通路から、夏樹君の風が、届いているからよ。」

「だから、出来るだけ。

きちんとした結界が出来上がって、FOTの活動準備が整うまでは、

夏樹君を本部待機にしていてもらいたかったの。」

「その方が、闇への影響を少なく出来ると思って。」

「でも、本人にそう言うわけにはいかないでしょう?」

(首相は、口を開いた。)

「だから、何だ?」

「彩、確かにこれは、外部の力が、闇化を引き起こす瞬間を捉えた。 貴重なデータだ。

しかし、こんな報告では。 分かり切った事が、証明されたというくらいだ。」

(冷やかな声に、ざわついていた重役達は、再び、首相に視線を戻した。)

「お前の研究も生温いものだ。

サンプルなど、私に見せるな。」



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