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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-8


「夏樹が、関わっている事が照明されたと言うなら。 もっと簡単な方法がある。」

「本人を調べれは、早いだろうが。」

(眼鏡の奥の、光の無い瞳は。
冷徹な程、冷やかに、空になったシャーレに向けられていた。)

「石垣首相さん・・。」

(彩の視線の先で。 灰色の少しカールした髪が揺れ。
組まれた筋張った両手に、僅かに力が込められた。)

「私の権限で、夏樹をここへ呼び出す事も出来る。」

「国家公認の能力者が、契約を欺き、

国に反したという罪で。」

「聖と通じ、姑息な真似をせずとも、

正当な理由で、調べる事が出来るだろうが?」

(彩は、首相の言葉に動じず。 いつものことに、
やれやれと言いたげな表情を浮かべ、困った様に微笑んだ。)

「石垣首相さん?

ご存じだと思うけれど。

それは禁じられているわ。」

「能力者の人権を守るために。

国で決められた事ですもの。」



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