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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter44 『相容れぬもの』 44-9


「守らないとね?」

(彩は、諭すように微笑んだ。)

「人権か・・?」

(冷やかな声に、彩には、能力者にそれは無いと。 首相が言っている様に聞こえた。)

「例外は、あるだろうが?」

(首相の言葉に、重役たちは、同調した。)

「そうだ。 能力を持たない、一般人の生命を脅かした場合は、

損害をもたらした能力者を、国の管理下に置く事が出来る。」

「先の事件が、丁度ありましたな?

民間人の少女を、異空間に巻き込み、闇に遭遇させた。

命を脅かしたのではありませんか?」

「・・そうですな!」

(聖は、静かに、扉近くの黒椅子にもたれながら。 彩の説明や。
これまでのやり取りを聞いていた。)

『ふぅ・・。 なるほど。』

『同じ出来事でも・・。

随分違って、聞こえるものだな。』

(聖はそっと、金色の瞳を開き。
遠く。 黒テーブルの向こうで。 先程から不機嫌にじっと、こちらを睨みつけて座る。
首相を見つめた。)



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