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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter45 『空席』 45-3


「・・また、空間の溝に落ちそうになっても

知らないからな。」

(菖蒲は、笑った。)

「夏樹様を、見失うよりは、ましです。」

「・・ああ、そう。」

(夏樹は、菖蒲を残し。 銀杏並木を、商店街の方へ向かって。
歩き始めた。)

***

キンコンカンコーン

キンコンカンコーン

(校庭に予鈴が響いた。)

トットットッ

「おっはよ〜う!」

(校門の中に入った紫苑と蒲公英に。 後ろから元気な声が響いて来た。)

「佐織ちゃん、おはよう!」

(紫苑は背中からの元気なハグに、笑顔で振り向いた。)

「きゃっ。」

「蒲公英ちゃんも、今日もかわいいね〜。」

(長身の佐織が、小さな蒲公英に笑顔を向けかがんだ。)



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