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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter45 『空席』 45-4
(流れるようなストレートの茶色の髪がサラサラと、朝日に美しく光る。)
「ほんとっ?」
(蒲公英は嬉しそうに微笑みながら、自慢げに胸をはってみせた。)
「うん、うん。 かわいいぞぅ。」
(一人っ子の佐織は、蒲公英を妹の様に、可愛がっていた。)
ポンポンッ
(青い小鳥型の髪飾りをとめた、小さな頭を撫でる。)
「あ! 数馬くんだっ。」
(撫でられ、満足そうに微笑んでいた蒲公英が、急に
右手側に続く、小学校校舎の前を見て、走り出した。)
トットットッ
「お?」
(佐織が振り向くと。)
(蒲公英は、そのまま、小学校校舎へ走って行った。
佐織と紫苑が見ていると、遠く、玄関の前で。 蒲公英は、先に登校していた
小さな男の子に、
嬉しそうに挨拶して飛びついた。)
「あらら、蒲公英ちゃんにも
ふられちゃったわ。」
(佐織は、面白そうに笑いながら、
今度は紫苑に向き直った。)
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