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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter45 『空席』 45-6


(佐織の中で、何か、イメージが膨らんでいるらしく。
紫苑は思わず笑った。)

「ふふっ。

忙しそうだったから、そうかもしれない。」

(当らずとも、遠からずな気がしていた。)

トットッ

「おう! 佐織!

おはよっ。」

「おはよう。 駆くん。」

(下駄箱の前から、佐織の前に現れた駆に、紫苑は微笑んだ。)

「出たわ・・。 朝から暑苦しいのが。」

(佐織は、あいさつせず、無視したが。
駆は、かえってそのことが面白く。 続いて笑顔で紫苑に微笑んだ。)

「おはよう、紫苑ちゃん。」

(長身の佐織より背が高い駆は。 短い茶色の髪に、制服を雑に着こなし。
見るからに体育会系で、明るく。
良く日に焼け、健康そのものだった。)

「・・何で、わたしは呼び捨てで、紫苑は「ちゃん」付けなのよっ。」

(むくれる佐織に、駆は笑った。)

「あはっ。 だってよ、紫苑ちゃんって、感じだろう?」



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