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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter46 『見えない敵』 46-10
「足のはええ、ばあちゃんだなぁ。
はっはっはっ。」
(男性は、役にたつ良いことをしたと思いながら。 笑顔でその場を去って行った。)
(誰も、気に留めては居なかったが。
先程まで、その場に居た。 3人の人物が消えていた。
小さな、黒ネコの姿もその場には無かった。)
***
ゴオオッ
ドンッ!
(何かが噴き出す、強い音に。 菖蒲は、顔を覆っていた白手袋の両手を離した。)
「あ・・、あれが・・
闇なんですね・・!」
(菖蒲は、夏樹が引き寄せた異空間の中に、立って居た。)
(闇の引き起こした、重苦しい圧力が。 火花の様に異空間の中を散り、
あっという間に、夏樹の巻き起こした風とぶつかり。 辺りに闇の黒い飛沫が
飛び散った。)
(菖蒲の、四角い黒縁眼鏡のすぐ前まで、闇の火花は、舞い飛んでいた。)
『!!』
「夏樹様・・っ!」
(菖蒲の眼鏡の上を、幾つもの火の粉が舞い飛び。 ゆっくりと、風に砕ける飛沫は、
まるで、菖蒲にはスローモーションの様に見えた。)
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