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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter46 『見えない敵』 46-13


(黒い子ネコから姿を変えたクロエは。
実体を持たない、透き通る様な、透明な身体をしていた。)

サァァッ

(舞い上がる風を受け。 まるで黒く長い蜘蛛の糸の様に、流れる髪。)

(動くたび、ポニーテールに束ねられた黒髪と、両脇から流れる黒髪が
身体に纏わりつく糸の様だ。)

「フェルゼンが、あの子を気にしていたみたいだったわ。」

(クロエの黄色の瞳は、冷たく光っていた。)

「かわいそうな子・・、フェルゼンからは絶対に、逃げられないわよ。」

(クロエは、黄色の瞳を見開き。 小さな唇に、笑みを浮かべた。)

(長くしなやかな手に、金の星座が散りばめられたような服を身にまとい。
不思議な切り込みの入った。 赤紫の服が。
クロエの豊かな胸や、長く白い脚を美しく見せていた。)

「でも、使えそうじゃない?

あの子も。 《時の欠片》を集めようとしているなら・・。」

(長い服のスリットから見える。
長く美しい左足の付け根に。 不思議な黒く丸い、幾何学模様のマークが彫られていた。)

「私たちは、楽でいいもの。」

「ふふふっ。」

(黄色の瞳を楽しげに揺らし。 クロエは、冷たい視線を眼下に向けた。)

ドオーンッ!



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