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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter46 『見えない敵』 46-14


(大音響と、飛び散る火柱とともに、巨大な闇が、倒れた。)

(クロエの視線の下。 闇の前に、風をまとった夏樹が。 ふわりと舞いおりるのが
見える。)

「あ〜ら?

もう終わり?」

「これじゃぁ、つまらないわねぇ。」

「もう少し・・、遊びましょうよ?」

(クロエは、つまらなそうな顔をした後。 しなやかな左手を上げ。
目の前の空中に、素早く。 美しい指先で、一つの模様を描き始めた。)

ブブンッ

***

(菖蒲は、やっと、闇の動きが止まったことに、ほっとした。)

「良かった・・、夏樹様。」

(少し遠く、離れて居たので。
夏樹は、闇と向き合うことに夢中で。 菖蒲の存在には、気付いていない様だった。)

(菖蒲が、あとは夏樹が。 闇から欠片を取り出すのを待つだけだと、
安堵した時だった。)

「・・?」

(菖蒲は、何かが気になった。)

(異空間であるその場には、夏樹と自分以外。



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