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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】
Chapter46 『見えない敵』 46-4
ピッ・・
(歩を進めるほどに。 次第に、
夏樹の腕の先の時計の文字盤は。 強くなる赤い一点を示していた。)
トッ
(銀杏並木を通り過ぎる、幾人かの人と
夏樹はすれ違った。)
「ねぇ、見た? 今の・・。」
「綺麗な人・・。」
「風見ヶ丘の生徒?」
(夏樹の横を通り過ぎた女性は、思わず振り返って、
夏樹を見た。)
トッ
(血の気が引いた様に、透き通るほど真っ白な肌。 少しくせづいた深い紺色の髪が映え。
とても街中で普段見慣れない人だったからだ。
深い紺色の瞳が、強い視線を投げかけていた。)
(紺色の瞳の投げかける視線のせいか。
歩いて行く夏樹から、醸し出される不思議な気配に。
誰も、声をかける人は居なかった。)
トッ
「ニャァ」
(銀杏並木に、いくつか置かれた茶色の木製ベンチの一つ。
夏樹の進む先。 並木の終点。 木陰の下のベンチの上に。)
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