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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter46 『見えない敵』 46-5


(小さな黒ネコが、ちょこんと腰かけていた。)

「ニュウ」

(小さな黒ネコは、近づいて来た夏樹の足音に振り返り。
小さな黄色の瞳を細め。 夏樹を見た。)

ドクンッ・・

ドクンッ・・

(歪む視線の先に、不思議な、闇の圧力が。 少しずつ、流れ始めた。)

「居た。」

(夏樹は、黒ネコの前を通り過ぎ、立ち止まった。)

トッ

(流れ出す、闇の圧力が。 そばの黒ネコの存在を掻き消していた。)

カチッ

ピッ

(左手の黒い腕時計に、白い右手の指先で触れ。 小さな文字盤は、静乃の創り出した。
自動空間誘導システムに切り替わった。)

(黒ネコは、夏樹の背中を見つめていたが。
その時が来たとわかり。
そっと、ベンチから、夏樹の背後へ。 すぐそばの足元に下りた。)

シュンッ・・

(腕時計から、何か、鋭い気流の流れの様なものが



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