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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter46 『見えない敵』 46-6


横に直線状に走る。)

チチチチチッ・・

(黒ネコは、微笑む様に、小さな黄色い瞳を輝かせた。)

[「オート、オペレーションモード作動します。」]

[「自動、空間移動まで、カウントダウンを開始します。 5秒前・・。」]

(自動録音された、静乃の声が、夏樹にだけ聞こえる小音で流れた。)

ピッ

「もう少し。

あの人が・・離れてから。」

(小さなおばあさんは、男性にお礼を言うと、左の道へ
向かって歩き出そうとしていた。)

[「4・・。」]

(夏樹は、シャツの下。 傷ついて包帯が巻かれる左腕に。
纏わりつく、空間移動の重さを感じて。)

(両足に、力を込めた。)

「くっ・・。」

『たしかに・・、彩さんの言う通り。

もう少し、待ってから戦いに出るべきかな?』

(夏樹は、深い紺色の瞳を揺らして笑った。)



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