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Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter47 『横顔』 47-11


「・・はぁ。

驚いたな。」

(ため息をつき、両腕についた氷の粒を払いながら。
夏樹は、冷たい体温が、菖蒲に届くほどの距離で
微笑んだ。)

「ったく、

一張羅が酷い格好だな。」

「僕はまだ、大丈夫だろう?」

(何も言えないでいる菖蒲に、夏樹は着ている制服を見せた。)

「制服、新品だから。

さすがに、今日は汚せない。」

「千波ちゃんに何て言われるか・・。」

(菖蒲は、まだ。 驚き夏樹を見つめていた。)

(初めて出会った。 得体の知れない力の攻撃を、
あれ程受けても。 夏樹は、ダメージを受けていなかった。)

「大丈夫か?」

(まだ、菖蒲が何も言わないので。
夏樹は心配して、深い紺色の瞳で覗き込んだ。)

「・・あ・・、はい・・。

大丈夫です。 夏樹様・・。」



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