HOMENovel

Novel ストーリー【* Fragment of Time * 時の欠片の道しるべ * 夏樹の物語】

Chapter48 『風と水』 48-1


ブブッ ブブブブッ

(黒い四つの羽根は、時折小刻みに振動しながら
闇の黒い身体を。 中空に留まらせていた。)

(まるで、何かの指示を、待って居るかの様に。)

(夏樹は、菖蒲の前に立ちながら。 上空を見据えた。)

『誰かが居る・・。』

『どこだ・・?』

『誰かが・・、闇を操っているのか?』

「はっ!」

(考えを巡らせている間に、再び、先程と同じ。
赤紫の光を纏う、小さな魔法陣が。 夏樹の視線の右上空に現れた。)

ブブンッ

(小さな魔法陣は、キラリと角度を変えたと思うと、再びスピードを上げ。
夏樹と菖蒲の立つ地上に、落下した。)

『今度は、何だ・・!?』

(夏樹は、急速に近づく魔法陣から、放たれる力に身構え。
スニーカーの両足に力を込めた。)

ゴワッ・・!

『!』

(菖蒲も、夏樹の後ろで、右上空を見上げた。)



『 次ページへ 』 『 前ページへ 』
このページのトップへ